lib-aroma002先日、某テレビで認知症予防によいとして、精油が紹介されていて話題になっていました。
紹介された方は、認知症の研究に30年あまり取り組んでこられた鳥取大学医学部教授、日本認知症予防学会理事長の「浦上克哉」さんです。
私が、一番興味深かったのは、認知症と言えば「物忘れ」というイメージでしたが、物忘れより先に匂いがわからなくなるということでした。
アルツハイマー型認知症の原因物質が脳にたまると、まず嗅神経がダメージを受け、隣接している海馬(脳内の記憶をつかさどる部位)にも広がるため記憶障害が起こるとされているそうです。

アロマセラピーを学ぶ中で、精油(香り)が嗅覚を通して、最初に脳の大脳辺縁系に伝わり、その中に含まれる扁桃体(感情をつかさどる部位)や海馬(記憶をつかさどる部位)、さらには、視床下部や大脳新皮質に伝わり、ホルモン分泌や内臓の働き、免疫、知的活動にも影響を与えていくことは知っていましたが、認知症が嗅覚に関わるということは知らなかったので、興味深いとともに驚きでした。

この研究は、認知症発症のリスクが軽減されることと、アロマセラピーの本来の役目である病気の予防としても広く認知されていくのではと思いました。

ただ、浦上先生も書籍の中で、おっしゃっていますが、精油の正しい知識も認知されていくことが大切だと思います。
精油にはいろんな種類があって、植物が自ら作った化学成分を含んでいます。
ラベンダーやローズマリーも成分でみると数種類の精油があって、その効能は含まれる成分で変わってくるのです。

浦上先生がご紹介している精油を学術名と共に書きましたので、ご使用をされる時の参考にされてください。
昼用精油は、ローズマリーとレモン。
ローズマリー・カンファー(Rosmarinus officinalis camphora)と
レモン(Citris limon)です。

夜用精油は、ラベンダーとスィートオレンジ。
真正ラベンダー[ラベンダーアングスティフォリア(Lavandula angustifolia)]と
スィートオレンジ(Citrus sinesis)です。

()内が学術名です。

参考書籍:アロマの香りが認知症を予防・改善する 浦上克哉 宝島社
     NARDケモタイプ精油事典 編集ナード・ジャパン ナード・アロマテラピー協会